通常の形態観察で直接得られるのは、分析対象の二次元像です。しかし、複雑な内部構造や異方性を有する場合、二次元像から本来の三次元構造を正確に把握するのは困難です。
トモグラフィ―という手法を用いれば、分析対象を連続的に回転または切削し、多数の二次元像をコンピュータで処理することで、三次元構造を可視化することが可能です。さらに、セグメンテーション(領域分割)等の画像処理を組み合わせることで、粒子径・細孔径・空隙率・配向・曲率などの指標を数値化し、設計差異の定量評価や課題解決、特許パラメータ創出にも貢献します。
当社では、対象サイズ(nm~cmレベル)や関心領域に応じて、X線CT法/(P)FIB-SEMトモグラフィー法/STEMトモグラフィー法を組み合わせたマルチスケール解析をご提案し、材料・デバイスの構造理解を深めます。
分析対象と分析目的
分析対象や課題に合わせて、最適な指標をご提案いたします。
- 触媒、多孔質材料
- 粒子径、細孔径、くびれ径、空隙率、曲路率
- 繊維材料
- 繊維径、繊維長、配向角、曲路率
- 複合材料
- 粒子径、粒子アスペクト比、粒子球形度
分析範囲
分析対象の大きさ(nmからcmレベル)に合わせて、最適な測定法(STEMトモグラフィ―法、FIB-SEMトモグラフィ―法、X線CT法)をご提案いたします。

分析の流れ
- 1. 測定
- 分析対象を連続的に回転または切削し、多数の二次元像を取得します。
- 2. 可視化 (三次元再構成)
- 二次元像をコンピュータ処理することで、グレースケールの三次元像を再構成します。
- 3. 可視化 (セグメンテーション)
- 三次元像の特徴に基づき、例えば、担体、細孔といった領域を定義します。
これは、数値化には必須です。
- 4. 数値化
- セグメンテーション像に基づき、三次元構造の指標を解析します。
分析事例
| 分析対象 | 分析目的 | 分析事例 | ||
|---|---|---|---|---|
| 可視化 | 数値化 | 指標 | ||
| 触媒 | ○ | - | - | STEMトモグラフィによる貴金属担持カーボン触媒の3D解析(1) |
| 触媒 | ○ | ○ | 粒子径 | Pt/C触媒の3D-STEM観察 -粒径解析- |
| 触媒 | ○ | - | - | STEM-EDSトモグラフィによるアイオノマー観察 |
| 触媒 | ○ | ○ |
空隙率 細孔径 | STEMトモグラフィによるカーボン担体の細孔径解析 |
| 多孔質材料 | ○ | - | - | STEMトモグラフィによる多孔質アルミナの細孔解析(1) |
| 多孔質材料 | ○ | ○ |
細孔径 くびれ径 曲路率 | STEMトモグラフィによる多孔質アルミナの細孔解析(2) |
| 多孔質材料 | ○ | ○ |
空隙率 細孔径 深さ | STEMトモグラフィによる多孔質アルミナの細孔解析(3) |
| 多孔質材料 | ○ | ○ | 細孔径 | コンクリート中空隙の三次元マルチスケール解析 |
| 多孔質材料 | ○ | ○ | 曲路率 | 流体シミュレーションに基づく多孔質材料の細孔構造解析 |
| 繊維材料 | ○ | - | - | セルロースナノファイバー(CNF)複合材料の3D-STEM観察 |
| 繊維材料 | ○ | ○ |
繊維長 曲路率 | FIB-SEMによるセルロースナノファイバー(CNF)複合材料の3D解析 |
| 繊維材料 | ○ | ○ |
繊維長 アスペクト比 配向角 最近接距離 | 複合材中のセルロースナノファイバー(CNF)三次元解析 |
| 繊維材料 | ○ | ○ |
繊維径 曲路率 接触繊維数 | テンプレートマッチングによる三次元繊維セグメンテーション |
| 繊維材料 | ○ | ○ |
繊維径 配向角 | ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)の繊維配向解析 |
| 複合材料 | ○ | - | - | ゴム中のフィラーの3D-TEM観察と元素マッピング |
| 複合材料 | ○ | - | - | FIB-SEM法による樹脂中フィラーの三次元構造解析 |
| 複合材料 | ○ | ○ |
球相当径 アスペクト比 球形度 | 三次元粒子形状評価 |
| 高分子材料 | ○ | - | - | スチレン系ブロック共重合体の3D-TEM観察 |
| 半導体 | ○ | ○ | 電極面積 | 積層セラミックコンデンサの3D解析 |
| 食品 | ○ | ○ | 曲率 | 曲率を用いた曲面形状の評価 |